白河で生まれ育ち、18歳で上京し医学を20年間学び、38歳で故郷で開業して、23年の月日が経ちました。その間、開業の場である新白河地区も色々な店舗や建物が出来て、様変わりしています。
 
「病気を診ずして、病人を診よ」の教えは、医師としての道を学んだ慈恵医大学祖の言葉です。 
 
 病気をもつ人間がより健やかに、目的や希望を持って生活できる医療を提供することを、これまで目標に掲げて開業医として23年間診療してきました。
 還暦を過ぎて、地域住民のこれからの健康長寿を想うとき、基本となる考え方を健康ピラミッドとして分かりやすく示しました。
 第1に自分のメンタルの健康や安定性を失った状態では、QOL(生活の質)の高い生活を維持することは難しいのです。しかもメンタルの不安定性は、自分ですら気がつかず、
目に見えないまま不安定な生活に振り回されている患者さんを沢山診てきました。そして2番目に大切なのが食事であり、必ずしも規則正しくなくても良く、時に非日常的な食事があってもいいのですが、身体にやさしくヘルシーで、太りすぎを予防し、そして美味しく食べることが心身の健康の2番目に大切な要素です。
 
 3番目は、身体をよく動かすということ、運動や人のために動く、即ち働くということです。
良く働いて、美味しく食べて、良く寝ることが健康サイクルの基本です。それでも健康を維持できない部分は、薬で補うことが、より健全かつ無理のない生活を送る基本であると考えています。
 
 福島県民の特徴としては、果物の摂取量・全国第2位、納豆の摂取量・全国第1位、野菜の摂取量は第1位と一見健康生活を送っているように感じますが、塩分摂取量・全国第1位、喫煙率・全国第3位、お酒の摂取量・第4位と、不健康要素もかなり多く、人口対医師数は全国47都道府県中44位と、医師不足なので、不健康な生活を送って病気になって病院に行っても医師は充分に対応することができない地域です。結果として、心筋梗塞による死亡率は、男女とも全国第1位、脳疾患による死亡率は、女性第1位、男性は第5位になっていて、平均寿命は全国43位で速やかな対策が急がれます。この厳しい地域の状況を打破すべく、我々博英会は、整形外科、内科、形成外科、脳神経外科の専門医が協力し、高度医療機器を備え、可能な限り質の高い医療を提供する体制をとっております。
 
 健康生活の充実をめざして、スポーツ障害や疾患後のリハビリはもとより、介護予防、さらには、ロコモ・メタボ対策、そして加齢性筋減少症(サルコペニア)やフレイル対策にとりわけ力を注いでおります。
これらの業務にあたる・理学療法士・作業療法士・管理栄養士・健康運動指導士などが他職種協働体制で地域住民の健康増進に寄与できるよう邁進して参ります。
 
 また開業25周年にあたる西暦2017年には、新しいクリニックと健康増進施設が整備されます。我々博英会の理念をより具体的な形で表現できるものとこれからも精進して参る所存です。